編集ポリシー

「雑穀十色」は、合同会社monowellが運営する雑穀の専門メディアです。

雑穀の情報はインターネット上にあふれていますが、その多くは「食物繊維が白米の24倍」といった倍率の見出しで終わっています。倍率は数字として正しくても、実際にお茶碗1杯を食べたときにどれだけ増えるのかは分かりません。押麦入りのごはん1杯(150g)で増える食物繊維は約1.4gです。24倍という数字と、+1.4gという数字は、どちらも同じ事実の別の面です。

このサイトは、後者を書きます。読者にとって期待外れになる場合でも、数値が示すところを先に書き、そのうえで価値のある使い方を提案する。以下は、そのために編集部が自分たちに課している決まりごとです。

情報源の方針:一次資料に当たる

栄養や健康に関する記述は、公的機関が公表している一次資料を根拠にします。主に参照しているのは次の資料です。

そして、個人ブログ・まとめサイト・通販サイトの商品説明を出典にしません。これらは孫引きの連鎖になっていることが多く、出どころをたどると根拠が見つからない数値がしばしば混ざっています。雑穀の情報が食い違う原因の多くはここにあります。

参照した資料は、各記事の末尾に「参考にした主な情報」としてリンク付きで掲載します。リンク先は資料のトップページではなく、できるかぎり該当ページを直接指します。

数値の扱い:成分表で照合し、測定法まで書く

記事に書く栄養数値は、すべて日本食品標準成分表(八訂)増補2023年の値と照合しています。推測値や、出典をたどれない数値は書きません。サイト内で同じ食材の数値が食い違うことがないよう、雑穀12種の値は編集部内の一覧表を唯一の正としています。

そのうえで、成分表の値にはそのまま書くと誤解を招く場合があるため、次の点は記事中で必ず注記します。

  • 大麦として示す値は「押麦」のものです。もち麦には公的な栄養数値が存在しないため、もち麦を扱う記事では「商品パッケージの表示を見るしかない」と明記します
  • そばの実の値は「そば米」のものです
  • 緑米は成分表に収載がないため、玄米の値を参考値として用い、その旨を書きます

さらに、食物繊維については測定法の違いを明示します。食物繊維の分析法には従来のプロスキー変法とAOAC.2011.25法があり、同じ食品でもAOAC法のほうが高い値が出ます。八訂ではAOAC法による値が採用されている一方、食事摂取基準の目標量はプロスキー変法に相当する値を根拠に設定されているため、八訂の値で計算して目標量に届いていても、実際には足りていない可能性があると厚生労働省が明記しています。この食い違いを黙って使うと読者を誤らせるため、どちらの測定法の値かが問題になる場面では必ず書き分けます。

なお、押麦の食物繊維12.2gの内訳は、水溶性(低分子2.4g+高分子4.3g)、不溶性5.5g、難消化性でん粉0.4gで、半分以上が水溶性です。総量だけでなく、こうした内訳も可能な範囲で示します。

「お茶碗1杯換算」という方針

栄養数値は、乾燥した粒100gあたりで表記されるのが普通です。しかし雑穀を乾燥のまま100g食べる人はいません。そこで当サイトでは、実際に食べる量に換算した数字を併記します。

計算の前提は全記事で統一しており、次のとおりです。

白米1合(150g)+雑穀大さじ2(約30g)で炊き、炊き上がり約400g。お茶碗1杯(150g)には、乾燥重量にして雑穀約11.3g・白米約56.3gが含まれる。

この前提から、成分値(乾燥100gあたり)×0.113+白米の成分値×0.563で1杯あたりの量を求めます。白米だけのごはんは、1合が約330gに炊き上がるため、白米の成分値×0.68で計算します。

結果は、たとえばこうなります。

成分 白米だけ 雑穀入り
食物繊維(押麦) 約0.3g 約1.7g +1.4g
鉄(アマランサス) 約0.5mg 約1.5mg +1.0mg
ビタミンB1(あわ) 約0.05mg 約0.11mg +0.06mg
たんぱく質(キヌア) 約4.2g 約4.9g +0.8g

前提を公開しているのは、読者が自分の食べ方(雑穀の割合、ごはんの量)に合わせて計算をやり直せるようにするためです。前提が違えば結果も変わります。

不都合な事実も書く

数値を換算すると、雑穀に期待されているほどの差が出ない項目が出てきます。当サイトはそれを削りません。実際に記事で書いている内容の例です。

  • 雑穀米は低カロリーではありません。炊飯後100gあたり、白米のごはんが約156kcal、白米に雑穀を2割加えたごはんも約156kcalで、ほぼ同じです
  • たんぱく質はほとんど増えません。押麦は乾燥100gあたり6.7g、精白米は6.1gで、お茶碗1杯に換算した差はごくわずかです
  • はと麦は食物繊維0.6g・鉄0.4mgで、いずれも精白米(0.5g・0.8mg)と大きく変わらないか、下回ります
  • 食後血糖に関する根拠の量は雑穀ごとに違います。大麦には機能性表示食品としての届出実績がありますが、同じことがすべての雑穀に言えるわけではありません

期待を煽ったほうが読まれることは分かっています。それでも、食べてみて「思っていたのと違う」となる情報を出すほうが、長い目で見て読者の損になると考えています。

書かないと決めていること

健康食品をめぐる表現には、景品表示法・健康増進法・医薬品医療機器等法(薬機法)が関わります。当サイトは、次のような表現を使いません。編集部内では過去に検出・是正した実例をもとに、公開前のチェックリストにしています。

使わない表現 代わりにどう書くか
免疫力アップ/デトックス/解毒作用 含まれる成分の実数と、その成分の一般的なはたらきの説明
高血圧予防/生活習慣病予防/がん予防 「栄養バランスを整える食事の一部として」
眼精疲労回復/冷え性対策/美肌効果 「〜とされる成分を含みます」
完全栄養食品/完全食 「必須アミノ酸のバランスに優れます」
痩せる/脂肪が燃える 「満腹感が続きやすい」「食べ過ぎを防ぎやすい」
〜が治る/〜が改善する 「〜という報告があります」+医師への相談の案内

いずれも、疾病の予防・治療・改善を示唆する表現効果を保証する表現根拠のない体感の断定にあたるためです。

過去に公開済み記事を全数点検したところ、この基準に照らして見直すべき記述が35か所見つかり、すべて修正しました。同じことを繰り返さないため、現在は執筆時と公開前の2段階でこの表を参照する運用にしています。

健康・医療に関する情報の扱い

当サイトが扱う内容には、血糖値、貧血、妊娠中の食事、食物アレルギー、セリアック病など、医療に隣接するテーマが含まれます。これらの記事では次を守ります。

  • 記事の冒頭で「治療手段ではない」と明示します
  • 服薬中・治療中・医師や管理栄養士から食事指導を受けている方は、主治医の指示が優先であることを書きます
  • 記事の末尾近くに、注意書きを引用ブロックで置きます
  • 症状が出た場合に受診を検討する目安を書きます

これは、記事を読んで自己判断で薬や治療食を変更してしまう事態を避けるためです。当サイトの情報は一般的な栄養情報の提供であり、診断・治療・予防を目的としたものではなく、医療行為に代わるものでもありません。体質や健康状態には個人差があります。

執筆・確認の体制

記事の企画・執筆・編集は、編集長の石山奏子(雑穀エキスパート/雑穀アドバイザー〈日本雑穀協会〉/NESTA公認パーソナルフィットネストレーナー)が担当しています。

外部の書き手に執筆を依頼した記事もあります。現在は栄養士の吉田万里絵が2本を担当しており、執筆者と、内容を確認した編集者の両方を記事に表示しています。誰が書いた記事かは、各記事の冒頭のバイラインと末尾のプロフィール欄で確認できます。書き手の一覧は雑穀びとのページにまとめています。

現時点で、外部の医師・管理栄養士による医学監修は付けていません。監修者名を出せるのは実際に内容を確認した人物がいる場合だけであり、体制がないまま「専門家監修」と表示することはしません。医療に隣接するテーマを扱う以上これは課題だと考えており、監修体制の整備を検討しています。整った場合は、対象記事に監修者名を明示します。

公開前には、記載した数値・出典・固有名詞・内部リンクを編集担当が確認します。出典が確認できない情報は、断定を避けるか、掲載を見送ります。

更新と訂正の方針

各記事には公開日と更新日を表示します。内容は公開後も見直し、必要に応じて加筆・修正します。

誤りが見つかった場合は、確認のうえ速やかに訂正します。数値の誤りや事実誤認など、記事の結論に関わる修正を行った場合は、記事内にその旨を記載します。表記の統一や表現の調整など、内容に影響しない修正については更新日の変更のみとします。

公的な基準が改定された場合は、内容を追随させます。直近では次のような改定を反映しています。

  • 日本人の食事摂取基準2025年版:食物繊維の目標量(男性30〜64歳で1日22g以上、女性18〜64歳で18g以上など)を最新版の値に更新しました。あわせて、鉄の耐容上限量が2025年版で削除された点についても、記事中で経緯を含めて説明しています
  • 特定原材料の追加(2026年4月1日):表示が義務づけられる特定原材料にカシューナッツが加わり9品目になりました。なお大麦は特定原材料にも準ずるものにも含まれず、表示義務も推奨もありません。原材料表示のアレルギー欄だけを見ると見落とすため、該当記事で注意を促しています

記事内容についての誤りのご指摘は、お問い合わせページからお寄せください。

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広告の有無や広告主との関係が、記事における評価・推奨の内容を左右することはありません。商品を比較する際も、判断の根拠となる数値と、その出典を必ず併記します。

お問い合わせ

記事内容に関するご質問・ご指摘は、お問い合わせページよりご連絡ください。運営会社の情報は運営会社、このメディアの成り立ちと扱う範囲は雑穀十色とはに掲載しています。


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